ゲーム感想「Castlevania: Belmont’s Curse」
2026年10月にリリースされた2Dサイドスクロール・アクションアドベンチャー。コナミの傑作IP「悪魔城ドラキュラ」シリーズ最新作で、「キャッスルヴァニア」は英題。開発は名作ローグライト「Dead Cells」を生み出したEvil Empireが手がけている。プラットフォームはNintendo Switch、PlayStation、Xbox、PCなど。私はSteam版をプレイ。
ストーリー
1499年。フランスは突如現れた魔物たちにより崩壊の危機に瀕していた。ヴァンパイアハンターの名門ベルモント家の末裔トレバ―と、その一人娘ローズ・ベルモントは、要請を受けパリ市街を訪れる。トレバ―と別行動をしたローズは、パリの閉ざされたカタコンベの入り口で怪物を名乗る男と戦うことに。勝利すると亡き母が遺したタロットカードが輝き、男をカードの中に吸収した。その力を全く知らなかったローズの頭の中に、男の声が響き渡る。理性を取り戻した男は、抗いがたい声の主によって心を失い、人々を殺めその魂を主に捧げようとしていたのだという。ローズはカタコンベの先にいる主を倒すため、パリを奔走する……というのが序盤の流れ。

こちらも慣れてない上にできることが少ないので苦戦必至。
感想
「悪魔城ドラキュラ」シリーズは主に二軸のゲーム性があり、初期作品に多かった純粋に左から右へ向かいながら敵を倒し足場を切り抜けていく完全なサイドスクロールスタイルと、縦横無尽に広がるマップを探索し、成長やアイテム収集、謎解きなどRPG的な要素のあるスタイルがある。特に後者は傑作「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」以降主軸になったスタイルで、私の好きなゲームサブジャンル「メトロイドヴァニア」の「ヴァニア」部分の元にもなっている。
そして本作もこの月下スタイルの「キャッスルヴァニア」である。久々のシリーズ最新作、それを名作「Dead Cells」の開発元が担うというのだから、シリーズファンのみならず期待された方も多かったと思う。
本作を代表するアクションのひとつはアルカナウィップ。これはかなり序盤で手に入る能力で、マップ上に用意されたアンカーポイントに向かってエネルギー状のウィップを引っ掛けることで、アクロバティックな移動が可能になるというもの。また敵自体もアンカーポイントとなり、敵に引っ掛けた場合は素早く間合いを詰め、さらにウィップ移動中に専用の攻撃を出すことができる。これは武器種ごとに異なる。
このウィップアクションが本作の肝。移動に攻撃に回避にと幅広く使うことができ、ターザン的な動きで通常では到達できない足場を渡ったり高所に飛び移りながら上を目指す。扱いにくそうだが、方向さえ合っていればけっこう遠目にアンカーポイントがあっても届く印象。こうしたプラットフォームアクションの中でも難易度はぬるめだが、何よりこれを使っての移動が気持ちよく、手触りは良いと思った。ただし戦闘においては、敵を攻撃したいのにアンカーポイントと重なった際に多少「そっちじゃない」事案が発生するかも。
また、アルカナというシステムもわりとよく出来ていると感じた。
道中にはヒントを教えてくれるNPCやオブジェクトが存在し、そこで見つけたヒントは「誰」に対するものなのかをUI側でまとめてくれる。これにより、手に入れたヒントが目的と合致しているか、別のものなのかが初めからわかるようになっている。謎解きのヒントや重要アイテムの場所など、内容も有用でまとめ方としても巧いとおもった。そして、アルカナに該当するボスたちを倒し、その魂をアルカナに封印することで、出来ることが増えていく。単に能力が開放されるだけでなく、アルカナ自体もローズの攻撃手段として使用できるので、好みにあったものを使ったり、場面場面で切り替えて戦ったりといった遊び方ができる。能力はアルカナごとのミッションのようなものをクリアすることで強化も可能。

アドベンチャーゲームの探偵の手帳のようなシステマチックさが逆に良い。
そして自機移動に関しては、ローリングや壁蹴りといった操作が最初から使え、移動性能はかなり高い。キャラクターの操作感はウィップアクション含めかなり感触が良かった。
またアクションゲームとバリエーション豊かなボス戦が特徴だが、本作もそれは御多分に漏れず、歯ごたえのあるユニークなボスたちが待ち構えている。個人的にどれもギミックが差別化されており、しかも難易度もそこそこあるためボス戦はかなり面白かった。また、ローズは武器やストーリー部分でも触れた「アルカナ」の力を使えるため、どの相手にどの武器やアルカナを使うか、という部分でも人によって戦い方や組み合わせが異なるため、幅広い戦い方ができると感じた。ここは「Dead Cells」で培ったであろうアイデアやセンスが存分に発揮されているところだと思う。
アクションゲームとしては非常に出来が良いのだけど、期待した「悪魔城」シリーズなのかというと素直に頷けないというのが正直な感想……というのも、従来作品に比べるとRPG要素がかなり薄いからだ。元々のキャッスルヴァニアがアクションでありながらとてもRPGやADVといった要素が強い作品だからというのもある。
もっとも強く感じたのは、ザコ敵と戦う意義の薄さである。本作には7つの異なる武器種や、ローズが装備することで効果を発揮するアクセサリといった強化要素があるのだけど、それらはザコ敵からは手に入らない。また、ゲーム内通貨のようなものもなく、あるのは経験値のみ。つまり経験値以外の狙いで敵を倒す動機というものがほぼ発生しない。
そのザコ敵たちもボスに比べるとだいぶ個性が薄く、種類も少なく感じた。ゲームの序盤から終盤まで、大体同じタイプの敵を相手にしてきたような印象。たまにシリーズお馴染みの敵が出てくるが、懐かしさよりお邪魔感の方を強く感じてしまい、あまり嬉しさはなかった。道中が楽しくないと探索自体の面白さにも影響があるため、ここはもっと頑張ってほしかった部分。
細かいところではレベルアップ時の演出も淡泊というか、従来作品ではゲーム全体がストップしてレベルアップという特徴的な仕様だったのが、今作は時間が止まることなく、かなりさりげない。まあこれは好みの問題だが、あまり従来作品の様式美的なものに興味はないのかなあと思ってしまった。
あと、手に入るものの数みたいなものが最初からわかってしまう構造になっているのが個人的に勿体ないと感じた。
武器の種類やそのカテゴリ内の個数、アクセサリの数、アルカナの数=登場するボスの数など、全てに最初から枠が設けられているので「どれだけあるんだろう?」というワクワク感みたいなものを得られなかった。この武器種はあと1枠しかないからゲーム内にはあと1種類しか存在しないとか、探してないボスはあと2種類だけとか、そういうことがメタ的な部分である程度予想できてしまうのだ。
これは好みがあるかもしれないが、探索するというゲームにおいて要素の総量は少なくとも最初から開示しない情報のような気がする。途中からならともかく、どれだけあるのかがわかってしまうともはやそれを手に入れるだけの作業になってしまうからだ。
他に気になったところではファストトラベル。これは船渡しのカロンともうひとつ(物語に関わるので具体的に語らないが)あるのだけど、その語れない方のファストトラベル方法が、物語の都合上仕方ないのかもしれないが利便性を考えると時間がかかり、使いづらかった。カロンに関しては各エリア1か所のみと少なく、不便さは否めないものの違和感はなかった。
あとはやはり音楽である。「悪魔城」シリーズの特徴というと音楽の良さで、キャッチ―なメロディラインを前面に押し出した名曲ぞろいなのだが、本作のBGMはその部分がかなり控えめで、とにかく曲自体の印象が薄い。
ここは素直に残念であり、こうした細かいところでの方向性の違いが「面白いけど『悪魔城』とは違う」というイメージが積み上がっていった原因なのだと思った。
まとめ
というわけで、名作ローグライト開発元が作ったシリーズ最新作。アクションゲームとしては面白いし、メトロイドヴァニアとしても決して面白くないわけではないのだけど、「キャッスルヴァニア」新作としては物足りなさの残る一本。とはいえ歯ごたえのあるボス戦やプラットフォームアクションは上質なので、過去作との違いに拘らないアクションゲーム好きな方は良いと思う。
公式ページ
https://www.konami.com/games/castlevania/belmonts_curse/jp/ja/
PC(Steam)
https://store.steampowered.com/app/4231820/Castlevania_Belmonts_Curse/?l=japanese
Nintendo Store
https://store-jp.nintendo.com/item/software/D70010000116853
Play Station
https://www.playstation.com/ja-jp/games/castlevania-belmonts-curse/
Xbox
https://www.xbox.com/ja-JP/games/store/castlevania-belmonts-curse/9nh6n2dnq0h0





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