ゲーム感想「OUTBUDDIES DX」

2019年にリリースされた2D探索アクション。Julian Laufer氏による個人開発ゲーム。
配信当初は日本語未訳だったが、現在は日本語で遊ぶことができる。

冒険家で海洋学者で丸眼鏡と髭がナイスなニコライ教授は、発表した学説(おそらく古代文明に関する)を笑いものにされてしまい、自身でそれを証明するために冒険に出る。しかし乗っていた船が難破し、図らずしも海底36000フィートに沈む古き神々が遺した地下都市バラムにたどり着く。
重傷を負った彼はバディユニットという超古代のドローン型ロボットによって助けられ、バディユニットとともにバラムを冒険することになる、という感じ。

メトロイドヴァニアとしてはこれ以上ないくらいわかりやすい導入であるが、ゲーム内容としてはほとんど「メトロイド」側に寄った設計になっている。開発者自身も「メトロイドヴァニアではなく、そのまんま『メトロイド』です」とGame Sparkインタビューで答えている。
武器や能力の入手といった開放要素を除くと、成長や強化とよべるものはごく一部で、経験値やレベル、所持アイテムといった概念はない。なんと「最大ライフの増加」すらないので、ザコ敵から受けるダメージがいつまで経っても痛いというなかなか渋いレベルデザインになっている。とはいえ、単にシビアなメトロイドなのかというとそうではなく、独自の要素がいろいろと加わっている。

古代都市バラムを冒険する教授。ドット絵も素晴らしく、レトロなムードもばっちり。

一番特徴的なものが、ストーリー冒頭でも登場したバディユニットだろう。
常に主人公の周囲を浮遊しており、いつでも任意で操作を切り替え可能。バディユニットは地形を無視して移動することができ、周囲をスキャンし隠された地形を発見したり、有害なものを確認したりすることができるほか、特定のブロックを念動力で持ち上げ、移動させることができる。ブロックは足場としての利用や、パズルの攻略に使う。
能力の開放により、更に能力追加など用途は多い。さらに、敵を倒したときにたまにでるライフ回復などを、主人公の代わりに回収することができる。このため取れない位置に落ちてしまったり、離れた位置にあったりするときに主人公の位置はそのままに、バディユニットを操作することができる。これはかなり便利で新しい。
バディユニットを操作している間主人公は無防備になり、敵などが近くにいると攻撃されてしまうといったリスクもちゃんとある。また、自分は使用しなかったが主人公とバディユニットをローカルCOOPで別々に操作することが可能とのこと。

そして、主人公の挙動として、この手の射撃系アクションには珍しい緊急回避が存在する。
敵やその攻撃、設置された一部のトラップを回避することが可能で、なかなか無敵時間が長い。敵に囲まれたときでも回避しながら距離を取るといった逃げ方もできるし、動きを見切った相手ならそのまま近距離で戦うこともできる。ニコライ教授はあまり戦闘向きとはいえない(メニュー画面などで全身イラストが出てくる)体型のおじさんだが、機敏な動きで敵の攻撃を躱しまくる様子はなかなかシュールである。
武器の種類も、種類こそ多くないが用途がはっきりしており、性能がちゃんと差別化されそれぞれ使っていて面白い。

マップに関しても、最初から薄くどこに空間があるか明示されている。全体を見渡すことは残念ながらできないのだが、まだ到達していない場所が一目瞭然なので、プレイ中はかなりボリュームがあるように感じられる。

マップ画面。青い四角部分に空間がある。カーソルを動かして全体を見渡すとなかなか膨大である。

その他のアクション(丸まってボール状になるなど)も、明らかに本家メトロイドを意識しながらも一捻り加えられており、違った手触りや遊び心地。それでいて、本家と同じ探索の面白さがしっかり詰まっている。探索アクション、メトロイドヴァニアが好きで、アクションゲームが得意な人はぜひ。

画像:https://outbuddies.com/presskit

OUTBUDDIES DX PC(steam)
https://store.steampowered.com/app/1083310/OUTBUDDIES_DX/

OUTBUDDIES DX Nintendo Switch
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000031492.html

Game Spark インタビュー記事
https://www.gamespark.jp/article/2019/11/03/94326.html