ゲーム感想「Vampire Crawlers:The Turbo Wildcard from Vampire Survivors」

2026年4月にリリースされた、ローグライトデッキ構築型カードゲーム。Poncle開発、販売。もはや一つのジャンルにもなった「Vampire Survivors」のスピンオフ。デモ版を遊んで「これは(いい意味で)やばい」と思ったのでPC(Steam版)でプレイ。

ストーリー

ストーリーといっても公式や販売ページにもほとんど情報がない。ゲームや前作「Vampire Survivors」(以下ヴァンサバ)からうかがい知れることは、登場人物たちが吸血鬼率いる闇の軍勢と戦っているということだけ。つまるところそれだけなのだが、それ以上必要ないというのがこのゲームのすごいところでもある。

感想

元々の本家「ヴァンサバ」は、迫りくる大量の敵を迎撃し、倒した経験値でレベルアップしながら自分を強化させていく360度シューティングゲーム。操作は上下左右のみで、攻撃はオートで行われる。レベルアップ時にはランダムで強化項目が提示され、その中から一つを選んでいく。項目はプレイのたびに異なるため、同じ展開にならずに非常にリプレイ性が高い。このわかり易いゲームデザインと、やるたびに体験が変わる中毒性の高さから「ヴァンサバライク」と呼ばれる数多くのフォロワーを生み出したのが前作である。

そんな傑作の次に作られたのが、前作と同じ世界観やキャラクターを用いた「Vampire Crawlers」だ。
最後までクリアした感想としては、シューティングからカードゲームとまったく違うジャンルになったにも関わらずこれはまごうことなき「ヴァンサバ」だということ。基本的なサイクルは本家と同じ。敵を倒し、レベルアップ時にランダム提示されたカードの中から一つを選んでデッキを強化していく。そこで得たお金を拠点で使い、要素のアンロックや初期ステータスを強化していく。ただしマップは大昔の3Dダンジョンゲームのようなグリッド式になり、敵のいるマスに自機を移動させると敵の群れとの戦闘、フロアのボスを倒して手に入れたシャベルで階段を掘り当て、次の階層へ向かうようになっている。

まず凄いと思ったのが「敵の群れと戦う」というヴァンサバの象徴的な光景を、カードゲームで成立させているということ。ターン制にこそなっているが、敵は画面の奥から迫ってくるような見た目になっており、その最前列にいる敵の数や種類でそのターンの敵の行動や攻撃力が決まる。プレイヤーはうまくカードを使って最前列の敵を倒すことで敵の数、つまり攻撃力を削っていく。最前列の敵がいなくなれば、その後ろにいた敵が前進して新たな最前列となる。これを繰り返して、敵の大群を殲滅させればその戦闘は勝利したことになる。そうやって敵を倒しながら自分を強化し、フロアの指定されたボスを倒して次のフロアへ進むというのが大きな流れ。画面の見た目も手順も違いながら、やっていることと得られる体験はしっかりヴァンサバなのだ。

戦闘画面。ずらっと奥に並んだ敵を最前列から崩していく。
大群と戦うカードゲームというのはなかなかの変化球だが、ヴァンサバならこれが正解。

さらにカードゲームとしてのシンプルさにも驚かされた。カードコストを0→1→2→……とつなげていくだけでコンボになるという単純なゲームデザインで、コンボの数に応じてカード効果も強化される。とにかくコンボで攻撃カードの値を高くしてぶっ放す! というのはわかりやすい。
また「ジェム」と呼ばれる付与効果をカードにつけられる要素があり、これによって効果や使うタイミングなどに広がりが生まれる。カードゲームとしてはカード種類がそこまで多くないのだが、ジェムと合わせてデッキの拡張性や戦術を練るというカードゲームとしての醍醐味をしっかり味わえるようになっていると感じた。
総じて、画面の見た目や要素の数以上に遊び方はカジュアル、シンプルに作られている。シンプルさというのはヴァンサバの特徴の一つでもあるといえる。ゲームがわかってくると驚くほどコンボが繋がり、使いたいカードが手元にある状況を作り出しやすくなる。結果相手に与えるダメージも膨張し、最初2桁程度だった数値が5桁を超えることもざらになってくるだろう。このインフレもヴァンサバの面白さの一つ。ただそのシンプルさゆえに、コンボを作るのが容易になってくると相対的にゲームとしての緊張感はだいぶ薄れてくるが、ここは爽快感とのトレードオフな気もする。本格的なカードゲームとしての奥深さを求めるとちょっと肩透かしをくらうのかもしれない。

またエフェクトや演出などもしっかりヴァンサバを踏襲していると感じた。報酬が手に入った時やレベルアップ時のシリーズ共通の効果音、やや大げさでありながら音楽も相変わらず質とノリが良いBGM、画面を覆いつくさんばかりの弾幕とあっという間に溶けていく敵、大量に用意されたアンロック要素など、随所にヴァンサバの「気持ちよさ」が詰まっている。

拠点内にある、キャラクター変更を行える酒場。
条件は不明だが、適当に入ったら中がディスコBGMのようになってみんな踊ってた……。

さらに本家同様クリアに到達すると死神が現れ瞬殺されるが、特殊な方法を駆使すれば死神と戦い、勝利することもできる。そうしたお約束や前述のシンプルさも含め、自分たちの作品の武器をちゃんと理解して組み込んでいると感じた。

まとめ

というわけで、シンプルで面白く、かつ爽快感のあるローグライトカードゲーム。スピンオフということで今のところコンテンツはこのシリーズにしては少なめ(それでも多い)というか網羅できそうな程度に収まっており、今後追加要素など拡張されるかはわからないが、そうでなくても現状でお値段以上の作品。熱中できる……どころか時間が溶けるので、プレイは計画的に。

PC(Steam)
https://store.steampowered.com/app/3265700/Vampire_Crawlers_The_Turbo_Wildcard_from_Vampire_Survivors/

Nintendo Switch
https://store-jp.nintendo.com/item/software/D70010000101046

PS Store
https://www.playstation.com/ja-jp/games/vampire-crawlers-the-turbo-wildcard-from-vampire-survivors/

XBox
https://www.xbox.com/ja-JP/games/store/vampire-crawlers-the-turbo-wildcard-from-vampire-survivors/9nmpvj7tcfd0