映画感想「エイリアン:ロムルス」
2024年公開のSFホラー。巨匠リドリー・スコットが生み出した傑作SF「エイリアン」シリーズのスピンオフ作品。主演はケイリー・スピーニー、監督は「ドント・ブリーズ」が有名なフェデ・アルバレス。Amazon Prime Videoに来たので視聴。
ストーリー
惑星ジャクソンの鉱山で働く炭鉱労働者の少女レインは、定められた労働ノルマを終えて他の惑星ユヴァーガへの移住を申請する。しかし鉱山所有者ウェイランド・ユタニ社により契約期間が数年規模で延長されていた。落胆しているところに、友人のタイラーから連絡が入る。彼の話では、自分たちのいる星の軌道上に放棄されたユタニ社の宇宙船が漂流しているというのだ。タイラーは仲間とその船にあるであろう冷凍冬眠装置を使い、自分たちの小さな貨物船で何光年も離れたユヴァーガへ逃げ出すことを企てていた。宇宙船に侵入するには、レインが弟として一緒に暮らしているユタニ社製アンドロイド、アンディの協力が絶対に必要だという。アンディを危険な目に遭わせたくないレインは渋ったものの、結局彼らの計画に乗ることにするのだが……という話。
感想
かなり面白かった。ホラーとしてもちゃんと予兆を見せておいてタメを作ってから出すタイプで、びっくり演出はほとんどなし。そういうのが苦手な方でも観られると思う。
初代「エイリアン」をなぞるように作りながらも、登場人物たちを若者にしてその無鉄砲さをうまく使い、初代と味が違うようになっているのが素晴らしい。それまでに作られたシリーズ作品の要素もつまみいれ、エイリアンとして成り立たせる設定を外すことなく構築している。本作は初代とジェームス・キャメロンが撮った「エイリアン2」の中間の物語であり、それらを予習していると余計楽しめることはもちろんだが、本作はかなり新規向けに作ろうという意欲が感じられた。
というのも、作品としてスピンオフというより新作を作ったぐらいに説明が丁寧なのだ。セリフの一つ一つに無駄がなく、主人公たち登場人物の行動原理も明解でわかりやすい。アクションシーンの理屈なども、頭に入りやすい演出をさりげなく入れている。個人的には特に重力装置のさりげない説明と使い方が見事。シリーズに関わる設定も知らない人には不足なく、知ってる人にはおさらいみたいな感じでゼノモーフやフェイスハガーなどちゃんと教えてくれる。さらにそれを使った新しい展開や見せ場もちゃんと用意され、王道かつ新鮮な「エイリアン」を新たに生み出しているという印象。

エイリアンといえばこの個体だが、今作は大活躍してくれるのも嬉しい。
というか、これは舞台をエイリアンの宇宙船にした「ドント・ブリーズ」だなと後から気づいた(「ドント・ブリーズ」も行き詰まった若者たちが最「怖」老人の家に泥棒に入る話)。とはいえただの焼き直しというわけではなく、情報や展開の取捨選択はエンターテインメントとしてお手本といっていいほど。
そしてホラーなシーンはちゃんと怖くて気持ち悪いし、アクションシーンはカッコよくわくわくさせる。その面白さはちゃんと初代を思わせるのだけど、きちんとした模倣にとどまらず、過去作を知っている人間ですら思わずウワーッとなる終盤の展開も良かった。
まとめ
というわけで、現代に蘇った、まさに「原点回帰」ともいえるシリーズ復権作。普通に娯楽作品としても優れているし、本作からシリーズに入って旧作に入っていくのも全然良いと思う。かなりおすすめ。
Amazon Prime Video
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0GCWGYVJG/






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