AI作曲サービス「SOUNDRAW」を使ってみた話

今回は「SOUNDRAW」というサービスを利用した話になります。SOUNDRAWはSOUNDRAW株式会社が運営するAIによる作曲が可能な「AIミュージックジェネレーター」です。実は私が製作したiPhone用ゲーム「Sannana」ではこのSOUNDRAWで出力された楽曲を使用しています。どんな感じか気になる方はぜひゲームをダウンロードして聴いてみて下さい!(唐突なダイマ)
また楽曲の保存はできませんが、実際にサイトで使い心地を試すことも可能です。

使い方

使い方は簡単で、公式サイトでブラウザから「ジャンル」「ムード」「テーマ」といったカテゴリーからタグをつけるように選択していくだけです。他に生成される楽曲の長さやざっくりとしたテンポも変更可能。タグを選択すると、すぐにそれを元に生成された楽曲がずらっと出てきます。それらをそのまま使うこともできるのですが、このサービスが面白いのはここから楽曲を編集することができること。実は楽曲をまるっと生成しているのではなく各フレーズのパターンを作って鳴らしているため、それを組み替えることで曲の盛り上がり部分や構成をある程度こちらで操作することができます。さらに「Pro mode」をオンにすることでメロディやバス、ドラム、フィルといった部分を細かく変更することも可能です。なので同じ生成結果からでも編集次第で違う曲にすることが可能というわけです。

SOUNDRAWのプロモード画面。ブラウザで操作できる。
「プロ」モードとはいえ、下の色付き四角(三角)をクリックして切り替えるだけなので簡単。

利用してみた感想ですが、上の使い方を見てもわかるようにとにかく簡単なのと、そこから自分で手を加えられるのが良いと感じました。出てきたものをそのまま使うことしかできない場合、ある程度「惜しい」ものが出てきた場合はまた生成からやり直す、もしくは妥協するしかありませんが、編集ができるとそこから多少イメージに近づけることができます。パーツの組み換えとはいえ意思が介在しているので、出来上がったものに感じてもただ生成するよりも愛着が湧くのではないでしょうか。
生成される楽曲に関して思ったことですが、正直なところAIが生成する以上、楽曲それ自体の構成にストーリーや意味を持っているいうようなレベルの曲はパターン組み換えができるとはいえなかなか難しいと感じました。生成する楽曲の性質にもよるかもしれませんが、楽曲を映画のメインテーマのように前面に押し出すよりは、まさに「バックグラウンド」ミュージックとしての使い方で力を発揮すると思います。ただタグの豊富さはもちろん、同じタグで生成された楽曲でもバリエーションの多彩さなども申し分ないと感じました。「Sannana」ではクイズ番組で流れるような脳を急かせる楽曲を中心にしたかったのですが、結果的に緩急をつけるためEDMの色々なジャンル、バリエーションの楽曲を盛り込めたかと思います。

また、少し前の記事でAI画像生成の「無断学習」について触れましたが、SOUNDRAWはどうなのかというとトップページの最下部に学習データに関して明記されています。それによると、学習に使われた楽曲の著作権所有権はSOUNDRAWが所持しており、生成される楽曲のアルゴリズムやデータセットはSOUNDRAWの音楽プロデューサーが社内で作成したものを使用している、とのこと。提供元からこういった保証がされているのであれば、AI生成につきまとうグレーな部分を気にせず使用する事ができるので良いと思います。ちなみにSOUNDRAWで生成した楽曲はの詳しい使用方法やルールに関しては、公式サイトのライセンスページや公式が配信している動画などで確認することができます。

まとめ

というわけで、ゲーム制作などコンテンツを作成している際に「なにかオリジナルな曲が欲しい」という場合にはおすすめです。サブスクリプションに登録すれば何曲でも作成、ダウンロードができますし、出力後の状態のまま保存登録することができ、サブスク期間中であればそのデータを読み込んで再度編集することができます。ダウンロードしたものはサブスク解約後も使用可能というのもありがたいです。
また繰り返しになりますが、私が製作したゲーム「Sannana」ではこのSOUNDRAWで出力された楽曲を使用していますので、ぜひ聴いてみてください(ダメ押しのダイマ)。

AI Music Generator SOUNDRAW
https://soundraw.io/ja